約 431,308 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1191.html
908 名前:【SS】107 1/2[sage] 投稿日:2011/10/07(金) 20 33 39.84 ID aN5iYoDf0 [3/4] 桐乃「ねぇ、ちょっと手を出して」 京介「こうか?」 桐乃「えい♪」 カチャリ 京介「うぉ!なにいきなり手錠かけてるんだ! ま、まさかおまえ、本当は髪を染めたあやせか!?」 桐乃「そんなわけないじゃん。 それになんであやせなの?」 京介「それはだな……」 京介(本当のこと言ったら殴られるよな……) 京介「……あやせならやりそうだろ?」 桐乃「む……確かにあやせならするかも…… ……ちょっと不自然な気がするけど、納得してあげる」 京介「それで、なんでおまえは俺に手錠なんてかけたんだ?」 桐乃「こうするためだよ」 カチャリ 京介「うぉぉぉ!なんでおまえの手にも手錠かけてるんだ!? これじゃあ離れられなくなっちまっただろうが!」 桐乃「それが目的だからね」 京介「おまえもしかして……離れたくないくらい俺のこと好きなの?」 桐乃「~~~!!!! そ、そうじゃなくて! えっと、きょうは…………の日だから…… こうすれば絶対にあんたが……されることはないし……」 京介「?もっとはっきり喋らないと聞こえないぞ」 桐乃「~~~! と、とにかく!今日は一日中こうしてるの! わかった!?」 京介「一日中って…… 今日は都合よく親父たちは留守だから一緒にいるだけなら問題ないけどよ、 トイレとかどうするんだよ」 桐乃「そういうときにはちゃんと手錠はずすから」 京介「そういうことなら……まあいいか」 京介(一日中桐乃と一緒にいられるしな) ・・・・・・夜・・・・・・ 桐乃「それじゃあそろそろお風呂はいろっか」 京介(ほっ。これでしばらくは桐乃から開放されるか。 桐乃とずっと一緒なのは嬉しいけどよ、さすがに手錠でつながれてるとリラックスできねえからな。 桐乃がお風呂に入ってる間に今日は何の日か調べとかねえとな) 桐乃「じゃあ手錠外すから、部屋で水着に着替え終わったら部屋の前で待っててね」 京介「え? まさか、一緒にお風呂はいるのか?」 桐乃「し、仕方ないじゃん! あたしがお風呂に入ってる間にあんたが……されたら困るし……」 京介「なん……だと……?」 京介(桐乃と一緒にお風呂に入れるだと!? 今日は本当になんの記念日なんだ!?) 桐乃「その……いや?」 京介「嫌なはずねえだろうが! ひゃっほう!最高だぜ!」 桐乃「……キモ!」 909 名前:【SS】107 2/2[sage] 投稿日:2011/10/07(金) 20 33 58.23 ID aN5iYoDf0 [4/4] ・・・・・・就寝・・・・・・ 京介「やっぱり寝る時も繋がったまんまか」 桐乃「うん。寝てるときこそ危ないから」 京介「桐乃、結局今日はなんの日なんだ?」 桐乃「……ヒミツ。 ヒントだけ教えてあげると、『ゴロ合わせ』かな?」 京介(こんな素敵なイベントが発生する、107のゴロ合わせねぇ……一体なんなんだ?) 桐乃「……それじゃあ、おやすみ」 京介「ああ、おやすみ」 桐乃「…………」 京介「…………」 桐乃「……………………」 京介「……………………」 京介(……………………!) 京介「…………なあ桐乃」 桐乃「なに?」 京介「手錠でつながなくても、俺は誰かに盗まれたりしねえよ。 ずっとずっと、おまえの側にいてやる」 桐乃「!!! ……でも、あんたは何時もどっかに行っちゃうじゃん。 まなちゃんに奪われたり、黒猫に奪われたり……」 京介「……そうかもな。 それに関しちゃ言葉もでねえよ」 桐乃「だから―」 京介「それなら、手錠じゃなくて、おまえの魅力で繋ぎ止めてくれよな」 桐乃「~~~!!!!~~~!!!! キモ!キモ!!このシスコンまじキモい!!! なんでそんな歯の浮くようなセリフを言えんの!?」 京介「そりゃ、『盗難の日』となりゃあの有名なセリフを思い浮かべちまうからだろ? 『ルパンは大変なものを盗んでいきました』てな」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1781.html
337 名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) 16 39 25.92 ID w5JMktb4P ろりりんときりりんが同時にいたら京介はどちらをとるのか ・・・よだれじゅるじゅるでろりりんに怖がれるきりりんを想像してしまった俺はきっと何も間違ってないはずw 338 名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) 16 42 08.72 ID 0IDtllyr0 ろりりんにイタズラするきりりんにイタズラする京介 339 名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) 16 46 39.67 ID RgJu/pZb0 そして「おねえちゃんこわーい」と京介にくっついて離れないろりりん 340 名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) 16 49 36.21 ID q7DRG4gs0 ロリ乃「お兄ちゃん」 京介「ん~?どうした~桐乃?ひひっ」 ロリ乃「お兄ちゃんとお風呂はいるー」 京介「よーし、お兄ちゃんと一緒にお風呂入るかー!ひひっ」 桐乃「キモ!キモキモキモ!あんたさっきからキモすぎ!」 京介「だって桐乃、見ろよこの天使」 ロリ乃「お姉ちゃんもいっしょにお風呂はいるー?」 桐乃「ふひぃっ!妹かわええ~!」 ロリ乃「ふひひ」 341 名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) 17 00 45.91 ID FcAlAQjLO ろりりん「お兄ちゃんのにおいがする」 342 名無しさん@お腹いっぱい。:2013/08/31(土) 17 03 24.13 ID klTtpiM90 京介「すぅ……すぅ……」 桐乃「ちゅー」 ろりりん「だめー!」 ----
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1747.html
328 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/06(土) 00 48 04.51 ID 5XhnpqnF0 ▲きりりんは告白されたことがない、少ない説 ・高嶺の花過ぎるため、近寄れる男がいなかった ・未然にあやせがそれっぽい男子を埋めた ・それでも埋め漏らした分だけ告白出来た。玉砕した ▲きりりんは告白されまくってる説 ・玉砕覚悟で特攻する男子は数多くいた ・他の部活動のエースや仕事関係の男から言い寄られるため、告白され慣れている ・あやせは桐乃は何故か男に興味なさそうなので、特に告白を妨害したりしない(ただし、何かあった時のために影でずっと見てる) ・流石のあやせたんでも手におえないほど桐乃がモテるので、何もしなかった あやせ次第か あやせと出会う前はどうしようもないな 334 名前:おまけ:2013/07/06(土) 01 09 46.89 ID sztpN6hMO 京介「…そういやあやせが桐乃はモテるって言ってたよな?なのに告白されたことがない?…わかんね。聞いてみるか」 カチャ。ピ。TELLL…TELLL…ピ。 あやせ『はい?』 京介「あ、すまんあやせ。ちっと聞きたいことがあってな」 あやせ『なんです?』 京介「前にさ、桐乃が…その、学校でモテるっていったろ?」 あやせ『ええ』 京介「でもなんかさ、桐乃は告白とかされたことがないって言うんだよな。それってどういう…?」 あやせ『お兄さん』 京介「ん?」 あやせ『…聞きたいですか?』 京介「あ、全部わかったんでもういいです。」 おしまい ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/99.html
218 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/30(木) 00 32 34 ID lU82DwwG0 [2/4] 「はあ?なんであんたにそんなこと言われなくちゃなんないの」 と、いつものようにケンカ腰に答える桐乃。 ことの発端はふと桐乃にこれからの進路について聞いたことだった。 「だから留学なんかすんなって言ってんだろ!」 「ウザッ!あんたが決めることじゃないでしょ!」 中学卒業と同時にまた留学すると言い出した桐乃。 さっきから話は平行線を辿っていて一向に前に進まないんだよね こいつが居なくなると親父やあやせ達が寂しがるしな そりゃ俺だってちょっとは寂しいしさ。 それに一度あんな姿になったこいつを見ているし余計に行かせたくないんだ。 「陸上だったら日本ででも出来るだろうーが!」 「あたしは海外で自分の力を限界まで伸ばしたいの!」 行く、行くなでもう30分は同じ話をしている どうにか説得しないとこいつ意地になってるし。 突然桐乃は黙ってしまった。なんだ?なにか考えている様だけど・・・ しばらくするとこちらを睨みながらこんなことを言った。 219 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/30(木) 00 35 25 ID lU82DwwG0 [3/4] 「じゃ、じゃあ、あんた何とかしなさいよ!」 「はあ?」 「だ、だから!あたしがアメリカで練習している環境をココで再現しろっつってんの!」 「できるわけねーだろ。 んなこと」 すると桐乃は顔を真っ赤にして驚くことを言った。 「アメリカで挨拶とかするじゃん。 そ、そんとき抱き合ったり キ、キスとか・・その・・そういうので向こうにいる雰囲気を出せっていってんでしょうが!!!」 いきなりキレながらとんでもないこと言ってきたぞ。 こいつ頭大丈夫か? ところでなんで挨拶? 英語で話しかけろとか食べ物をあっち風にしろとかじゃなく? 俺がポカーンとしているのが気に障ったのか桐乃がまたキレだした 「い、言っとくけど!あんたがどーーーしてもあたしを留学させたくないって泣いて 頼むからこうすんだから! へ、変な勘違いすんな!!!」 た、たしかに頼んだのは俺だがなんかおかしくない? すると桐乃は 「あ、挨拶。・・して」 「い、今やんのかよ! ま、待て桐乃。 おちつけ。いいか、いくら再現しろっていっても 普通練習のほうだろ?そ、その・・キスとかは生活面だし・・・」 「はあ?あんたバカ?普通は練習前に会ったら挨拶するでしょ。そんな一般常識も知んないの? つーか挨拶できないとか、ガキじゃん」 おめーに一般常識うんぬん言われたくねー!! 日常的に兄を蹴ったり罵倒しているヤツ が言って良い台詞じゃねーからそれ! クッ。妹にキスとか無いぜ・・・でもやんなきゃ納得しねえだろうな。 俺は『これは挨拶』と自分に言い聞かせなるべく桐乃を抱きしめないようにして軽く頬にキスをした。 くぅ~やっぱ恥ずかしい! なんなの外国の人ってなんでこんな挨拶なの? 「馬鹿・・ちがう。それは友人とか親しい人とかの挨拶。か、家族とかは・・・く、口」 「ええええ!!!ちょ、さすがにそれはおかしいだろ!そもそもおまえキスとかしたことあんのか?」 「あ、あるわけ無いでしょ!!い、いいから早くして」 いや、まあ。キス初めてじゃないとか言われたら ソレはソレでショックだったわけなんだけど・・・ 220 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/30(木) 00 36 19 ID lU82DwwG0 [4/4] 「じゃ、じゃあ。やるから・・・」 「う、うん」そう言うと桐乃は赤い顔を俯むかせ目を瞑った。 そんな桐乃を前にドキドキしながらそっと抱き締めた。 桐乃は一瞬ビクッっとなったがおとなしく立っていた いや蹴りでも飛んで来んじゃーかと思っていたわけよ しかしヤバイ。なんかいいにおいするし。こ、こいつの身体柔らかいし。なんかずっとこうしていたい。 「つ、次・・・」 「わ、わかったよ」 でもいいのかよ。こいつファーストキスなんだろ?そういうのって女の子にしたら大事なんじゃない? いや、俺も初めてなんだけどさ。な、なんか緊張してきた。しっかしファーストキスが兄妹て・・・ ふと桐乃を見ると・・・顔、超真っ赤にして目瞑って震えてるし。・・・か、かわいい。 その顔に見とれた俺は無意識に桐乃の唇に自らの唇を重ねてしまった。 「・・んっ。」 「うっ・・・。」 一瞬電流が流れたような気がした。なんだこれ・・・キスってこんなに気持ちのいいものなのか? 唇が敏感なのは知っていたがソレを重ねるという行為がこれほどの快感だとは 余りの感動にさらに桐乃を求めようと 一層力を込め逃さないように唇を求めた 桐乃は腕の中でもがいていたがとても離す気にはなれなかった ・・・すげえ・・桐乃とのキス最高・・・ん?? ・・き・・桐乃と?・・・キ・・キス??? は!・・・お、俺は何をして・・・・と桐乃を見ると、そこには・・・ うおおおおおおおおーーーー!!!!!! 我に帰った俺はあわてて桐乃を離した。 俺の腕から逃れた桐乃は後ろを向いてしまった。 俺も恥ずかしさのあまり桐乃を直視できずにいた 桐乃は赤い顔と乱れた息でこちらをちらちらと見て 「・・・あ、あのさ。挨拶なんだからもう少し軽いのにしてよ。がっつきすぎ」 は、恥ずかしすぎるーーー!!! 妹相手になにマジキスしてんの!!! 赤城を超ドシスコンとか言ってたけど、俺!俺の方が超ドシスコン!通報レベルの変態! 妹にダメ出しされて猛烈にヘコんでいる俺にさらに言葉が続く 「挨拶。明日から毎日だから」 そう言って呆然としている俺を置いて部屋に戻ろうとする我が妹。 えと・・・これで留学はしないという事でいいの? というか最低朝と夜はするの? え?これでいいの? 俺が混乱しているなかドアノブを握った桐乃が笑顔で振り向き 「あたしのこと何処にも行かせないでね」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1493.html
15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/28(月) 02 34 09.21 ID ugeegz720 桐乃「だーかーら! なんでそうなんのっつってんの! ここまで来といて、んな駆け引きみたいなのいらないっての!」 京介「さっきもこれ選択したじゃねえか! 分岐の回収だか知らんが 同じことやってたら意味ねえだろ!」 桐乃「問題はその次の選択肢っしょ? ほんっっっっと、分かってない! ……これだから年齢=彼女いない暦は!」 京介「っはぁっ!? う、うるせえっ! おまえに言われたくねえよ! そう言うおまえだって…」 桐乃「んなっ! 何言おうとしてんのよ、このシスコン!」 京介「いっ…! てめえすぐ蹴ってくんなよ! やってられっか!」 桐乃「あ、っちょ……! ま、待ちなさいよ!」 ――バタン! ……はい、よくあるよくある。 一緒にエロゲー→俺何かミス→桐乃マジギレ。はあ、脇腹がいてえ… 今日は特にヒドかった……もう二度とやらねえ。 わめく桐乃を置いて部屋に退散した俺は、早々と寝ることにした。 くそっ……ほんっと、変わらねえな。あーあ、ったく… ―――――――――――― ――――――――― ――――― ……眠れねえ。何でだ。もう1時間は経ってるんだが…… さっきのケンカで感情が昂ってるのか?はぁっ…… ――ガチャッ… あ? 桐乃「京……介……」 ……桐乃……何でおまえはいつも寝てるときに…… 桐乃「京……介……?」 ……何だかな。返事しちゃいけない気がする。 つってもなぁ……結局ビンタで起こしにくるってパターンだからな… って考えてる間にこっち来やがった……まあ寝てるフリするか。 ギシッという音と共にベッドのフチが沈む。ああ、またかよ…… 俺は目を瞑ったままビンタを構える桐乃を想像した。 だが…… …………………………………来ない。 気付かれないように、薄目を開ける。暗くてよく見えないが…… ………桐乃、が………横になってる……? 桐乃は少し震えてるようだった。俺と向かい合う形で…… 桐乃が、動いた。何だ、何を………その直後…… きゅ、と、俺の服の裾をつかんできた。 つかむと言うより、つまむと言うべきか。何か……遠慮げな。 そしてその手は……震えていた。 桐乃「京……介……」 京介(……………) 桐乃「……ばか…」 京介(……………) 桐乃「………………………ごめんなさい……」 それは………本当に消え入りそうな声で…… こいつからそんな声を聴いたことはなかった。 桐乃はその台詞を言って少しすると……こっちに近づいてきた。 そして呼吸の音がすぐそこに聴こえるとこで止まって、 手を、裾から離し、腕を折って…… 俺の腹のあたりに添えた。 桐乃「……ご……ごめん……なさぃ…」 京介(……何だよ、) 桐乃「……ごめんな、さぃ……」 京介(……何なんだよ、そんな声、おまえが……!) 桐乃「……ぁた、あたし……ごめん……なさい…」 京介(………やめろっ…) 桐乃「………何でこう、なんだろ……ごめん…な…さぃ…」 京介(……っ!) 俺は桐乃の頭を抱えて、引き寄せた。 桐乃はビクッと体を強張らせて、固まった。 ……俺は耐えられなかった。泣きそうな声で、こんな台詞を言う桐乃に。 無言の時間が流れる。桐乃はまだ、震えている。 俺はそっと……桐乃の頭を撫でた。 その丸い頭は確かに、桐乃の頭だ。………そんな当然のことを考えながら。 そのまましばらくすると、桐乃の体の強張りは少しずつ解けていった。 呼吸で体が小さく膨らみ、縮む。それと温もり。 桐乃は顔をおれの胸に埋めた。 鼻先が当たり、くすぐったい。 そして腕を回して抱きつく、というよりしがみついてくる。 こんなに愛しいものがあるだろうかと思った。 その瞬間、その空間は俺達だけのものだった。 無言が作る言い訳に支えられた、偽物だったとしても。 きっと朝になると、いつも通りで。 またケンカしてウザがられてキモがられて。 そんな日常に、埋もれてしまいそうなもの。 見えにくくなってしまっても。 俺は決して、手放さない。 きっと。ずっと。 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1718.html
196 名前:規制代理:2013/06/09(日) 22 06 03.46 ID 7Bd/CwOj0 SS『新しい道』 あ,加 「なー、あやせぇ?」 「・・・・・・・・・」 「なー、なあってばぁ」 「・・・・・・・・・」 あれから・・・桐乃とお兄さんが結ばれてから、一週間が経ちました。 いえ、正確には、桐乃とお兄さんが『関係を解消』してからでしょうか。 わたしはお兄さんにフラれて、桐乃はお兄さんの告白を受け入れて、 そして、桐乃とお兄さんは、二人だけの結婚式を挙げて・・・ それなのに、『普通の兄妹』に戻って・・・ 「あーい?あーやー」 「ねえ加奈子」 「んだよ、聞いてんならちゃんと返事しろってーの」 「・・・ごめんね」 加奈子が心配してくれてるのは良く分かっています。 でも、わたしはまだ、わたし自身の気持ちを整理しきれていません。 桐乃とも、ちゃんと話せてません・・・ 「加奈子。桐乃とお兄さん・・・なんで、恋人をやめちゃったんだろう」 「・・・・・・・・・」 「本当に、わたしや黒猫さんなんかじゃ相手にならないくらい愛し合っているのに・・・」 認めたくはありません。でも事実です。 『大嫌い』なお兄さんと、大好きな桐乃が、好きあっている事。 二人が恋人をやめてしまった事。 わたしにとって、悪い話ではないはずなのに、考えるたびに頬が濡れてしまいます。 息が苦しくなります。何も考えられなくなります・・・ 「まーなぁ。つーかぁ、あやせもわかってんだろ?」 ううん。わたしにはわからないよ。 加奈子みたいに、割り切れない。 「桐乃もきょーすけもぉ、アタシたちのこと考えてくれてんだろ」 「・・・・・・・・・」 「アイツらかんっぺき好きあってるけどよぉ、それを恋人同士って言っちゃうとさぁ、 オメーやししょーみたいにぃ、受け入れられない奴らが出てくんじゃん?」 だって、気持ち悪いものは気持ち悪いんだもん! 桐乃の事は大好きだし、お兄さんの事は『大嫌い』だけど! でも・・・ 「それにぃ、親にも心配かけたくないじゃん」 そっか。加奈子も・・・ 「だからぁ、妹の事が好きな兄とぉ兄の事が好きな妹って『普通の兄妹』に『戻った』んじゃねーの?」 加奈子の言い分は分かります。 好きな事は事実、そして、皆が受け入れてはくれない事も事実。 だから、その隙間に落とし込んで、両方を大切にする・・・ 「でもっ、桐乃の気持ちはっ!」 永久に、死ぬまで、心の奥底で抱え続けるだけなんて、そんなの・・・ 嫌いになってしまうより、きっと、ずっと辛い・・・ 「だからぁ、アタシだって考えたんだぜぇ? アタシたちが気分良く過ごすために、アイツらだけに我慢をさせるのが、 ししょーの言う、『大人の論理』なのかって」 「・・・・・・・・・」 「アタシは、たぶんちげーと思った」 「・・・・・・・・・」 「だからぁ、アタシはちょっとづつ、すこしづつ受け入れていく。 今はたぶん、キメーとしかおもえねーけどぉ、 きっと、10年も経つころには、アタシたちもアイツらの事を受け入れて、 アイツらも、アタシたちの事を受け入れてくれねぇかなって」 加奈子・・・でも、どうやって・・・? 「ホラ、アタシなんて単純だしぃ? きょーすけがまた、スーパーアイドルのかなかなちゃんを見てくれれば満足っていうかぁ?」 「そっか・・・そういう受け入れられ方だってあるんだ・・・」 アイドルと敏腕マネージャー。 ある意味、恋人よりずっと強い信頼関係で成り立つ、そんな関係。 恋人も決して介入できない、そんな固い絆。 「でぇ、そんだけじゃあアタシしか得しねーからぁ、 アイツがアタシのマネージャーに復帰したら、御鏡のヤローみてーにぶっちゃけてみるかなー? 『かなかなちゃんわぁ、兄妹の間の恋愛だって応援しちゃいまーすっ♪』とかなー」 「ぷっ・・・ステージでそんなことやったら、大変だよ?」 つい、ふきだしてしまいました。 加奈子の言う事って、いつも無茶苦茶なんだから。 「でもよぉ?そんなのも、なんかイイって思わねぇ? 桐乃もきょーすけも、アタシたちの大切なトモダチだしぃ、 世界中の人達にぃ好きになっててもらいたいじゃん?」 世界中の人達・・・ 今更ながらに加奈子のスケールの大きさに驚いてしまいます。 きっと、この子は誰もが羨むスーパーアイドルになれるのでしょう。 「そっか。そうだよね」 「おう!」 それなら、わたしはどうしたら良いのでしょう。 わたしはどうやって二人を受け入れて、どうやったらわたしを受け入れてもらえるのでしょう・・・ 「そーいやよぉ?あやせってガキ手なずけるの得意じゃんw?」 「手なずけるって・・・せめて慕われるって言って欲しいな?」 「や、いまちょっと殺気をかんじたんだけどぉ。 とにかくぅ、このままだとぉあいつらぜってーヤることヤっちゃうじゃんw? そしたらよぉ、家政婦とかベビーシッターとかいって、あいつらのなかに潜り込むのもおもしれーかもなぁwww」 加奈子・・・目がにやけすぎ。 冗談で煽ってるのがあからさまで、ちょっとイラっとします。 でも、桐乃の子供、お兄さんの子供を、まるで家族のように一緒に育てるなんて、そんな夢のような・・・あれ? 「ねえ、加奈子?ちょっと聞きたい事があるんだけど?」 「んー?なんだよ?」 「桐乃とお兄さん。『普通の兄妹』に戻ったんですよね?」 「そーだなぁ」 「なんで、子供が出来る事が前提なんですか?」 「・・・あ、あやせぇ?さっきから敬語こわいんだけどぉ」 「どういう事か、説明してもらえますか?」 「お、おう・・・」 加奈子はガクガク震えながらも、ケータイを差し出してきます。 どうやら写真を見せたいようですけど・・・ 「まず、これだけどぉ、おとといのアキバでたまたま撮ったんだけどぉ」 「・・・なんでキスしてるんですか?」 「き、桐乃に聞いたら、兄妹だからしょうがないって」 「次の写真・・・抱き合ってますけど、どういう事ですか?」 「きょ、きょーすけもぉ、兄妹だからしょうがないって」 「・・・ねぇ、加奈子」 わたしは、努めて優しい声で加奈子に問いかけます。 「なんで、この二人、一緒にホテルに入ってるんですか?」 「きょ、兄妹だからしょうがないって・・・!」 End. ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1657.html
14 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/24(日) 18 28 07.89 ID CoqU6X7a0 恋人繋ぎで妄想が捗る 桐乃「...」ジッ 京介「ん?俺の手になんか付いてるか?」 桐乃「あんたってさ、男の割に手大きくないよね~」 京介「そうか?」 桐乃「そうだって~ちょっと手貸してみ?」 京介「ほれ」スッ 桐乃「ふむふむ」ピト 京介「いや俺の方が圧倒的に大きいじゃねーか」 桐乃「ふ、ふむふむ」ギュッ 京介「お、おい」 桐乃「ふむふむ…ふむふむ…」ムギュムギュ 京介「おーい桐乃さーん?」 15 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/24(日) 18 41 25.52 ID ugdC9E1y0 京介「……柔らかいな、おまえの手」 サワサワ 桐乃「い、いつまで触ってんの!キモいってば!!」 ニギニギ 京介「おまえが手ぇ握ってるから離せないんだが」 桐乃「あ、あんたから離すまで離さないっての…」 京介「……じゃあ、ずっとこのままだな」 桐乃「……うん」 20 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/02/24(日) 20 36 28.21 ID t2PZFbC3P 京介「今日も寒いな」 桐乃「そうだね」 京介「こう寒いと手が冷えてしょうがないな」 ハー ハー 桐乃「手袋ぐらいしてくればよかったのに」 京介「うっせ。忘れちまったんだからしょうがないだろ」 桐乃「しょうがないなぁ」 スポッ 桐乃「はいこれ」 京介「あん?」 桐乃「手袋。これ結構伸びるし、あんたの手でも入るでしょ」 京介「ありがてーけどそれじゃあお前の手が・・・って片方だけ?」 桐乃「いいからつけなさいよ」 京介「わかったよ」 京介「つけたぞ。で、これでどうすんだよ」 桐乃「こうすんの」 ギュッ ズポッ 桐乃「思ったとおり、アンタのコートのポケット大きいね。 あたしとアンタの手入れても余裕じゃん。 これでアンタも寒くないっしょ?」 京介「……そうだな。」 桐乃「でしょ? えへへ。じゃ、かえろっか」 京介「おう」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/397.html
336 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/03/08(火) 17 04 55.78 ID c1KdWPE90 [1/2] SS『重度エロゲ脳』 やっぱ、このゲーム神だわ! 俺は、にゃんにゃんソフト新作の『ホワイト〜妹のぱんつは何色?〜』をコンプし、 ゲームを攻略したあとの、あの心地よい余韻に浸っている。 以前はエロゲーとか無理とか言ってなかったかって? いやいや、あの時はまだよく分かってなかっただけだって。 今は、桐乃の気持ちがよく分かる!妹って、ほんとイイよな!!! なんつーか、こう?守ってあげたいっつーか、抱きしめてやりたいっつーか? それはそうとこんな神ゲー、桐乃にも勧めてやらんといかんな。 俺は、桐乃に借りていた『おにぱん』と、『ホワイト』を持って桐乃の部屋へと向かった。 コンコン 「桐乃ー?ちょっといいか?」 「何よ?いきなり何の用よ?」 「お前に借りてたゲームを返しに来たんだが」 「それならそうと早く言ってよ。入って」 俺、結構すぐ言ったよね?ま、いつもの事ではあるんだが……… 「で、どう?」 「『おにぱん』の感想か?まあ、なかなか良かったぞ。 それより、先に聞いて欲しい事があるんだが」 「何よ、『おにぱん』より重要だっての?」 「そうだ。まず、コレを見てくれ!」 俺は、颯爽と桐乃の目の前に『ホワイト』を突きつける。 「な、何?エロゲー?あんた頭湧いてんの?」 桐乃は明らかに引きまくって、俺から視線をそらしている。 せっかく、神妹ゲーについて語ってやろうとしてるのに、なんつー態度だよ。 「そうだ。にゃんにゃんソフト新作の神妹ゲーだ! おまえはにゃんにゃんソフトはノーチェックだっただろうが、 実に素晴らしい、まさに神の降臨した究極の妹ゲーだ!」 「あ、あんた、な、何言ってんの!?」 「まず、妹のリノの性格が素晴らしい。有る意味では古典的ツンデレキャラではあるんだが、 ゲームの前半は、絶対にデレるように見えるシーンが存在しない! それでいて、妹視点だと本当はお兄ちゃんの事が大好きで、 お兄ちゃんに振り向いてもらおうと必死で努力しているんだ! 結果的には、兄が鈍感すぎて全部がツン状態に見えてしまい、 兄妹の冷戦状態を作り上げてるのだが、そのギャップが実に素晴らしい!」 「あ、あ、あ、あん、あんた!?」 ん?なんで、顔真っ赤にしてんだ? ああそうか、『ホワイト』が楽しそうで興奮してきたんだな! 「その、兄妹の冷戦の終結といちゃいちゃの始まりのイベントがまた神で、 あまりの兄の鈍さに腹に据えかねた妹が、 なんと純白のぱんつを兄の机に置いておくわけだ! さすがの兄も、このイベントで妹の気持ちに気がついたわけだ。 つーか誰だって妹を襲いたく―――」 「死ねっ!変態っ!!!」 「ゴフッ!?」 な、いきなり何しやがる!? 「キモイっ!死ねっ!早く部屋から出てけっ!」 「ちょ、ちょっと待て?お、俺が何したって!?」 「口答えすんな!さっさと出てけ!!!」 ど、どうしたってんだろうな?俺の妹様は? 仕方ねーから、とりあえず部屋からは出たんだが……… 結局、桐乃の機嫌はその日一日直らなかった。 昼食の時は、俺を完全無視してやがったし、 夕食の時なんか、こっちを凄い目で凝視してんのが、 桐乃の方を見ずとも分かってしまう位に激怒していた。 実際、お袋にも「桐乃?そんなに顔を真っ赤にして京介を見て、一体どうしたの?」 なんて聞かれてたしな。 食事も途中で切り上げて、さっさと2階に戻っちまうしな……… まあいい。とりあえず、今日は勉強でもして平穏な夜を送るか。 だが、夕食を終え自分の部屋に戻ってきた俺に、平穏は訪れなかった。 自室に入ったとき、俺は、部屋の状態に違和感を感じた。 まるで、存在してはならないものが存在してるような――― そう、机の上に、見慣れない白い布切れを発見したわけだ。 その白い布切れの横に、誰かの殴り書きのメモが残されていた。 とりあえず、布切れの事は後回しにして、俺はメモの方を読む。 『変態へ あんたに今すぐ襲われるとかサイアクだから、 とりあえず、コレあげる。 これで我慢できなかったら、ケーサツに通報するから。 あんたの妹から』 えーと………………………何のフラグ? これ、CG付きイベントか? とりあえず、この日、俺は何も考えられなくなって寝てしまったわけだが……… あれは、一体何なんだろうな? ………いや、アレはゲーム!ゲームだっての! End. -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/349.html
77 名前:5巻アナザー【SS】[sage] 投稿日:2011/02/22(火) 23 58 58.96 ID lppXCX0v0 [2/3] 5巻4章で京介が桐乃を連れ戻すシーンの暴走妄想SS 俺はクリックする指を止め− 「一緒に帰ろうぜ」 「え…?」 俺は桐乃にそう提案した。 俺がここに来た元々の理由は、桐乃を日本に連れ戻す為だ。 友人・知人に一切知らせず、誰でもいいから1人に勝つまでは絶対に連絡を入れない…という縛りを設けても勝てず、終には体調を崩して…。 お前は頑張った。 充分過ぎるぐらい頑張った。 だからもう頑張らなくてもいい。 胸を張って帰ろう。 俺は桐乃にそう伝えた。 しかし… 「あたしは絶対に帰らない! みんなにでかい口を叩いてここまで来たのに…結果が伴わなくて…体調崩したから帰ってきた…なんて…そんな事が出来るワケないでしょ!!」 桐乃は涙を浮かべて猛抗議をしてきた。 「一番年下の子にも負けっぱなしで…尻尾巻いて逃げ帰るなんて…今まであたしが勝ってきた人たちに、どう謝ればいいのよ!!」 「桐乃、今のお前は焦り過ぎだ。 行き過ぎだ。 一旦戻って、休んで、体調を戻して、実力付けて、それからもう一度勝負するという選択肢があるじゃねーか! お前はまだ15なんだ! まだまだやり直しがきく年だ! いまここで無茶をして取り返しのつかない事になったらどうするんだ!!」 「くどい! あたしは絶対に帰らない!!」 「この…!」 もう桐乃には俺の言葉は届かない。 いくら言っても無駄だろう…そう判断した俺は、強硬手段に出る事にした。 「きゃ…!?」 俺は桐乃の両肩を掴み、正面から目を合わせ、そして… 「お前の事が心配なんだよ!!」 そう叫んだ。 そしてそのまま… 「………!?」 強引に…桐乃の唇を塞いだ。 そしてすぐに口を離してそのままベッドに押し倒し、俺は桐乃に懇願した。 「いつからかは忘れた。 俺は…本当に、お前の事が好きなんだ…愛していると言ってもいい。 お前がこれだけ苦しんでいるのに…心配にならないワケがないだろうが!!」 俺の瞳から水滴がポタ…ポタ…と桐乃の頬を濡らしていく。 いつの間にかマジ泣きが入っちまったらしい…。 「なあ…桐乃…。 俺と…日本に帰ろう…」 桐乃は黙って俺の目を見つめた。 そして… 「…やっと…言ってくれたね、兄貴…」 そのまま俺の頭を両手で抱いて引き寄せ、俺の唇を塞ぎ返してきた。 桐乃が唇を離すと、そのままポツリポツリと、口を開いた。 「あたしが留学を決めた理由の一つにさ…兄貴の存在があった…」 桐乃は俺を抱きしめたまま、説明を続けて行く。 「最初の人生相談でさ、お父さんを説得してくれてから…あたし、あんたの事が…好きになった…。 だけど…あたしたちは兄妹だから…このままどんどん好きになって苦しむくらいなら、いっそ黙って離れた方がいいかな…って…思ったんだ…」 「桐乃…」 「1年間の留学期間でずっと離れ離れになったら、諦められるかなって…」 桐乃の瞳から…涙が零れ落ちた…。 「でも…もうだめ…。 兄貴がアメリカまであたしを迎えに来てくれて…あたし…もう…この気持ちを抑えきれない…」 桐乃の口から嗚咽が漏れ始め…俺は…抱かれたまま桐乃の髪の毛を撫でてやり、気持ちを落ち着かせるように、ゆっくりとあやした…。 「兄貴…あたしも…あたしも兄貴が好き…。 愛してる…」 桐乃の告白…。 俺は桐乃の気持ちが嬉しくなり、再び…桐乃の唇を塞いだ…。 翌日。 桐乃と一夜を過ごした俺は、少しずつ桐乃の荷物を片付けていた。 俺が眼を覚ますと桐乃は既に起床していて、すっきりしたような晴れやかな顔を俺に向けてくれた。 そしてその時、にこやかにこう言ってくれた。 「あたし、兄貴と一緒なら…帰国してもいいよ」 その桐乃は『ちょっと行くトコあるから』と5分ぐらい前に部屋を離れた。 多分、帰国の手続きを行ったんだろう。 それから数分で桐乃は部屋に戻ってきた。 「お待たせ。 さ、日本に帰ろっか」 そして桐乃はそのまま俺に抱きつき…笑顔でこう言ってくれた。 「お兄ちゃん、愛してる」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/758.html
644 名前:女神様が、見てる…【SS】[sage] 投稿日:2011/06/03(金) 00 37 31.40 ID 07zFjuyUO 「桐乃、二十歳の誕生日おめでとう」 「ありがとう、京介…」 「「乾杯!」」 ここはとあるVIPルーム、中にいるのは二人だけだ。 用意されたシャンパンをいただく俺たち。今日からは、こうして桐乃とおおっぴらに酒を飲めるわけだ。 まあ、ここでの飲食が今日の目的ではないんだけどな。メインイベントはこの後に控えてるんだな、これが…… 時間になった。建物の外に出た二人の前には、魔法の馬車ならぬ、ヘリコプターが出番を待っていた。 乗客はやはり俺たち二人だけ。生まれてはじめて、「貸し切り」というのをやってみたわけだ。 「かなりムリしちゃったんじゃないの?」 おっしゃる通り、対価はかなり高くついたが、たまには桐乃に格好いいとこを見せてやりたくてな、まあ、頑張ってみたよ… 二人を乗せたヘリは、夜空に向かって飛び立つ。あっという間に、俺たちの視界に 東京の夜景が飛び込んでくる。スカイツリー、東京タワー、お台場…… 「うわあ、凄いきれい」 「確かに綺麗だが、桐乃の輝きに比べればまだまだだな」 「今、何て言った?」 「…二度は言わねえよ」 「久々にキモいと言わせてもらう。キモっ、キモっ」 「……スベったか……」 「ウソウソ、京介の気持ちは、ちゃんとあたしに伝わってるから」 そう言うと、桐乃の暖かい手が、俺の手を握ってくる。 「間もなく横浜みなとみらい地区です。」 パイロットさんの声に我にかえった俺は窓の外に目を向けて目的の建物を探す。 ヨコハマインターコンチネンタルグランドホテル。 俺はその建物の形をずっと半月にイメージしてたが、あれは実は「風をはらんだヨットの帆」なんだそうだ。 その帆船の最上部を見るために、俺は今回のプランを立てたと言っていい。 そこにあるのは、青白い光に照らされた女神像「みちびき」だ。 「なあ、桐乃。あのホテルの女神像に向かって願い事を唱えると、願いを叶えてくれるらしいぜ」 「へえ、じゃあ、ちょっと願ってみるかな…」 「…で、何を願ったんだ、桐乃は」 「何って、京介と同じことに決まってるじゃん」 「俺と?」 「もちろん。だって、 『恋人同士で願うと、二人が結ばれる』 のが、あの女神様のご利益なんでしょ」 「何だ、知ってたのか」 「とーぜん。まあでも、まさかヘリで空から京介と見に来れるとは思ってなかったケドね」 俺もまっとうなデートスポットをいろいろ研究しだして、ここの女神像の話を知ったわけだ。 俺たちの仲を続けていくには、まあいろいろ越えていかなきゃならないことがあるからな。 だから、ちょっと女神様の力も借りてみようって話だ。 きっと女神様は、俺たち二人の歩む道筋を導いてくれるに違いない、そう俺は思ったわけ。 「ステキな誕生日プレゼントをありがとね、京介。 これはあたしからのお礼というか、何というか…」 そう言って桐乃は身を俺の方に乗り出して来た。 「「二人で、いつまでも、一緒にいようね」」 そして俺たちは、女神様の前で、誓いのキスを交わした…… おわり -------------